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お子さまの口の中に、普通より多くの歯が生えている場合、それは「過剰歯」と呼ばれる余分な歯があるかもしれません。過剰歯をそのままにしておくと、歯並びや噛み合わせに影響が出ることがあるため、早めに発見して治療することが大切です。ここでは、過剰歯の原因や種類などについてわかりやすく解説していきます。
過剰歯とは?
過剰歯は、正常な歯の本数より多く生えてくる余分な歯のことで、過剰歯を持つ子どもの割合は約30~40人に1人とされ、珍しいものではありません。痛みなどの自覚症状が出ることは少なく、多くの場合レントゲン検査で偶然見つかります。特に上の前歯部分に発生しやすいですが、上奥歯や下奥歯にも現れることがあります。
過剰歯の原因って何?
乳歯にできる過剰歯は、歯が作られる途中で、顎の骨の中にある歯のもととなる歯胚(しはい)が多く作られたり、途中で二つに分かれたりすることが原因とされています。しかし、こうした異常がなぜ起こるのかは、まだはっきりわかっていません。遺伝が関係しているという説もありますが、親に過剰歯がない場合でも、子どもに過剰歯ができる可能性はあります。
子どもの過剰歯の種類
過剰歯にはいくつか種類があり、それぞれ形や生える場所が異なります。主なものとして、次のような種類があります。
順正過剰歯(じゅんせいかじょうし)
順正過剰歯とは、普通の歯と同じ向きで生えてくる過剰歯です。比較的自然な方向で成長しますが、歯並びに影響を与える可能性があります。
逆性過剰歯(ぎゃくせいかじょうし)
逆性過剰歯とは、普通の歯とは逆向きに生えてくる過剰歯です。逆方向に生えることで、他の歯に干渉し、歯並びや噛み合わせに問題を引き起こすことがあります。
正中過剰歯(せいちゅうかじょうし)
正中過剰歯は上の前歯の間に生えてくる過剰歯で、最もよく見られるタイプです。特に裏側から生えやすく、歯並びや噛み合わせに影響を及ぼします。
水平埋伏歯(すいへいまいふくし)
水平埋伏歯は歯茎や骨の下に埋まった状態で、真横に向かって生える過剰歯です。見えない場所で問題を起こすことがあり、抜歯が必要になる場合があります。
これらの過剰歯は種類によって、治療の方法やアプローチが異なります。
治療しないと危険?
過剰歯を治療せずに放置しておくと、以下のような問題が発生する可能性があります。
歯並びが悪くなる
過剰歯が普通の歯を押し出すように生えることで、全体の歯並びが乱れてしまう可能性があります。これにより、矯正治療が必要になることが多いです。
噛み合わせが上手くいかなくなる
噛み合わせに影響を与え、咀嚼機能が低下することがあります。正しい噛み合わせができないと、顎や筋肉に負担がかかり、将来的に顎関節症などのリスクが高まります。
永久歯に悪い影響が出る
過剰歯が正しい歯の成長を邪魔し、永久歯がきちんと生えない原因になることがあります。永久歯の生え方が悪くなると、将来的に抜歯や矯正治療が必要になる可能性があります。
歯周病や虫歯になりやすくなる
過剰歯の影響で磨きがしづらくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まることがあります。歯の位置が不規則になると、汚れがたまりやすく、口内環境が悪化しやすくなります。
これらの理由から、過剰歯を放置せず、早めに治療を行うことがとても大切です。
小児歯科で行う過剰歯の治療方法
子どもの口の中で過剰歯が見つかった場合、基本的には抜歯で対応することがあります。
具体的には、過剰歯を抜いて、永久歯が正しく生えるのを妨げないようにします。もし過剰歯が歯茎の中に埋まっていることがレントゲンやCTで確認された場合、歯茎を切開して埋まっている過剰歯を取り除く処置が行われますが、過剰歯の位置や、周りの血管や神経との位置関係によっては、除去が難しい場合もあります。
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